すまんな過ぎ去った事や
ある日のことや、某ライブチャット配信を見てた。
所謂あれよ、ファンクラブ動画と空目するアレのとこのやつ。
その中でめっちゃ顔も喋り方も雰囲気もタイプやった人が居て、当然エロい目線も含めてお気に入りに登録してチャットに参加したんよ。
内容的には深夜の公園でなんやかんやするかもせんかもみたいなクソ焦らし系やったんやけどな。
ワイとしては焦らし大作戦のブラフかなんかやろ早よせんかえって思ってポイントがガン減りして行くのをいかに節約するかって事に気が気でならんかった。
あの人らホンマ常にスロウかかってんかよってレベルで行動遅いからな。
で、結局、その日は一般枠よりちょっと見せるレベルで終わった。終わったというかワイのポイントも枯れた。
お昼のニュース見てたら、うちの近所でひき逃げ事故があったと流れてきた。時間帯は深夜。
危ない話やなと普段なら流して見てたんやけど、なんか妙に引っかかるものがあったんや。
『警官がいっぱいいてる…時間帯も同じく…いやいやまさかやろ』
で、嬢の配信を思い出すと、そう言えばなんとなく遊具に見覚えがある気がする。
というのもワイもつい最近昼間やけどその公園に仕事関係で行く機会が何度かあったのよ。
いやいや、まさかそれはないやろ…と思う自分んと裏腹に
いやでもあの遊具の色、位置関係、記憶の中とは言え一致してんちゃうんか…
疑惑と期待となんかよく分からん感情が入り混じって、次の配信をワイは待った
横断歩道の感じとか、思えば思うほど、いやあれやっぱ近所のあそこちゃうんか?ってな
Googleマップを駆使したりもしたけど流石にはGoogleマップは昼間の風景やし、チラッとしか見てない曖昧な記憶とは合致し辛い
ほんでワイはとにかく次の機会を待つことにして、そっとポイントを追加したんや
ホンマあんなポイント買うやつアホやでな、わかってるけど買ってまう自分が一番アホやけどな
いよいよ待ってた次の機会が来てしまった
結論から言うとビンゴやった
まさかうちの近所の公園でそんな事してる人間が居て、しかもそれを俺がインターネットを介して見てる
どんな奇跡やねんこれ
せやからワイは家で配信を見ることにした。
深夜の雨上がりで寒い夜やった。
相変わらず可愛らしい素敵な人や、喋り方もアンニュイで飾り気がなくてええ感じ
もっと事を早く進めてくれたらもっとええ感じなんやけどもしゃーない、向こうも商売やしな
公園に到着してとある遊具に身を潜めながら配信をしてらっしゃる、いや絶対寒いやろって心配の方が先にたつぐらいやったわ
ほんで後ろに映りこむ嬢の潜んでる遊具はやっぱワイの見覚えのある遊具なんよな。
寒いし夜中やしどないしよかと思ったけども意を決してワイは家を出た
歩きスマホは危ないからみんなはやめた方がええで
あの公園であってほしいと思う期待反面、あの公園であって欲しくないとも思ってしまう
人間の心ってホンマ不思議なもんよな、真反対の感情がワイの心をぐらぐら揺らすんや
そんな気持ちのまま近づいてくる某公園
もしかしたら嬢が潜んでいるかもしれない遊具が目に入ってきた
マジかおい…遊具の中でなんか動いてるやん…
車のライトの加減でそう見えたんかと思ったけど違った
確かに誰かがそこにいてる
すると配信映像から
「ちょっとまって人来てる」
「なんかオッサンが歩いてるヤバい」
いやwwwwww
ワイやんけwwwwww
それワイやんwwwwww
「待ってめっちゃ怖い、オッサンこっち見てる」
酷い言われようよ…
まぁオッサンなのは事実やししゃーない
と、心の中でワイは訴えた。
当然ながらビビり散らかしてる嬢
かくいうワイもめちゃくちゃビビり散らかしてる
まさかそんな事あるとは思わんかったしな
こういう時、ヤラセ配信やとこの後にゴニョゴニョな展開が待ってる訳やけども
これはガチや
ガチのハプニングみたいなもんや
声なんて当然かけられへんし、チャットでその事実を書き込みも出来ひん
ワイは実にチキン野郎やったわ
踵を返してワイは逃げ去った、嬢よりも先にワイが逃げ去ったんや
その後、嬢は相変わらず中途半端な焦らし配信をスマホのバッテリーが切れるまでやってた
ワイは帰宅してからそっとお気に入りを解除した